補助金情報

小規模事業者持続化補助金とは?
対象・補助額・申請の流れをわかりやすく解説【第20回】

持続化補助金の基本

「チラシやホームページを作りたいけれど、費用が気になる」
「新しい設備を入れて売上を伸ばしたいが、資金に余裕がない」

そんな小規模事業者の方にまず知っていただきたいのが、小規模事業者持続化補助金です。補助金の中でも対象になる事業者が広く、はじめて補助金に挑戦する方の入口として最も使われている制度のひとつです。

この記事では、2026年11月時点で公開されている第20回公募の内容をもとに、対象者・補助額・使える経費・申請の流れを、はじめての方にもわかるように整理します。

この記事の内容は「小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領 第8版(2026年7月21日)」にもとづいています。申請の際は、必ず事務局ホームページで最新の公募要領をご確認ください。

この記事でわかること

  • 持続化補助金がどんな制度で、誰が使えるのか
  • いくらもらえるのか(補助上限と補助率)
  • 何に使えて、何に使えないのか
  • 申請から入金までの流れと、第20回の締切

持続化補助金とは?

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓(新しいお客様を増やす取り組み)や業務効率化に取り組む費用の一部を、国が補助する制度です。

ポイントは、地域の商工会・商工会議所の支援を受けながら「経営計画」をつくり、その計画にもとづいて取り組むという点です。単に「お金をもらう制度」ではなく、自社の経営を見直し、計画的に売上を伸ばしていくための制度と考えるとわかりやすいでしょう。

対象となる事業者

対象は、次の従業員数にあてはまる小規模事業者です(法人・個人事業主どちらも対象)。

業種

常時使用する従業員の数

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)

5人以下

サービス業のうち宿泊業・娯楽業

20人以下

製造業その他

20人以下

従業員の数には、会社役員や同居の親族従業員、日雇いの方、2か月以内の期間を決めて雇っている方、試用期間中の方などは含めない決まりがあります。数え方に迷う場合は、公募要領で確認するか、専門家にご相談ください。

一方で、医師・歯科医師などの医療関係者や医療法人、宗教法人、これから創業する予定の方などは対象外です。また、過去に持続化補助金を受けた事業者は、報告書の提出などの条件を満たしていないと申請できません。

いくらもらえる?補助上限と補助率

補助率

かかった経費(補助対象経費)の 3分の2 が補助されます。
※賃金引上げ特例を選んだ赤字の事業者は 4分の3 になります。

補助上限額

区分

補助上限

通常

50万円

インボイス特例を満たす場合

100万円(50万円上乗せ)

賃金引上げ特例を満たす場合

200万円(150万円上乗せ)

両方の特例を満たす場合

250万円(200万円上乗せ)

計算例

たとえば、補助対象経費が 75万円 の場合、
75万円 × 3分の2 = 50万円 が補助金の額になります(通常の上限50万円ちょうど)。

経費が90万円の場合は、90万円 × 3分の2 = 60万円ですが、通常の上限が50万円のため、補助金は50万円になります。

特例を使うときの大事な注意

インボイス特例・賃金引上げ特例は、補助事業が終わった時点で要件を満たしていないと、補助金そのものが交付されません(上乗せ分だけでなく、全体がもらえなくなります)。特に賃金引上げ特例は「従業員1人あたりの給与支給総額を年3%以上増やす」など条件がはっきり決まっているため、無理のない計画かどうかを申請前によく検討しましょう。

何に使える?対象となる経費

使える経費は、次の8種類です。

  1. 機械装置等費(業務に使う機械・設備など)
  2. 広報費(チラシ・パンフレット・看板など)
  3. ウェブサイト関連費(ホームページ・ネット広告など)
  4. 展示会等出展費
  5. 旅費
  6. 新商品開発費
  7. 借料(機器のリースなど)
  8. 委託・外注費

第20回で特に注意したいこと

  • 広報費とウェブサイト関連費は、それぞれ補助金の申請額の上限が30万円(税込)です。また、広報費だけ・ウェブサイト関連費だけでの申請はできず、必ずほかの経費と一緒に申請する必要があります。
  • パソコン・タブレットなど、ほかの用途にも使えるものや、車両は対象外です。
  • 交付決定(採択後の正式な決定)より前に発注・購入したものは対象になりません。「採択されたから」とすぐに発注しないよう注意が必要です。
  • 1つの取引で10万円(税抜)を超える支払いは、現金払いではなく振込などで行う必要があります。
  • 経費の大半が対象外と判断されると、不採択や採択取消しになることがあります。

申請から入金までの流れ(第20回のスケジュール)

Step 01

GビズIDプライムを取得する

申請は電子申請のみで、国の共通ログインID「GビズIDプライム」が必要です。取得に時間がかかることがあるため、最初に手続きしておきましょう。

Step 02

経営計画と補助事業計画をつくる

自社の強みや市場の状況を分析し、「この取り組みで、どんなお客様に、どう売上を伸ばすか」を計画書にまとめます。売上高や売上総利益がどれだけ増えるか、数字での目標を書くことが求められます。

Step 03

商工会・商工会議所で「事業支援計画書(様式4)」を発行してもらう

地域の商工会・商工会議所に計画を見てもらい、様式4を発行してもらいます。第20回の発行受付締切は2026年12月4日(金)です。申請の締切より早いので、特に注意が必要です。

Step 04

電子申請する

申請受付は2026年11月5日(木)から、締切は12月15日(火)17:00です。締切直前はシステムが混み合うことがあるため、余裕をもって提出しましょう。

Step 05

採択・交付決定を受けて、事業を実施する

採択発表は2027年3月頃の予定です。採択後、見積書などを提出して「交付決定」を受けてから、発注・支払いを行います。事業の実施期限は2028年3月31日です。

Step 06

実績報告をして、補助金を受け取る

事業が終わったら、使った経費の証拠書類をそろえて実績報告をします。内容が確認されたあとに、補助金が支払われます。

補助金は「後払い」です

見落とされやすいのが、補助金は事業が終わって報告したあとに支払われる「後払い」だという点です。いったんは経費の全額を自社で支払う必要があります。

たとえば75万円の取り組みなら、まず75万円を支払い、報告が認められてから50万円が入金されます。手元の資金が足りるか、必要なら金融機関からのつなぎ資金をどうするかを、申請前に考えておきましょう。

審査で見られるポイント

審査では、主に次のような点が見られます。

  • 自社の経営状況や強み・弱みをきちんと分析できているか
  • 経営の方針や目標がはっきりしているか
  • 補助事業が実現可能で、売上アップにつながるか(デジタルの活用も評価されます)
  • 経費の積算(金額の根拠)がわかりやすいか

また、加点項目(条件を満たすと審査で有利になる項目)は、「重点政策加点」と「政策加点」からそれぞれ1種類ずつ、合計2種類まで選べます。どちらかから2種類以上を選ぶと、加点の審査対象外になってしまうので注意しましょう。

申請前に知っておきたい注意点

  • 商工会・商工会議所の窓口には、事業者ご本人が関わる必要があります。代理人だけでの相談・発行依頼はできません。
  • 専門家などの支援を受けた場合は、申請書の「第三者からのアドバイスの有無」欄に、支援者の名前と支払った金額(着手金・成功報酬なども含む)を正しく書く必要があります。書かないと虚偽の報告として不採択・取消しになります。
  • 同じ回に複数応募していることが分かった場合は、すべて不採択になります。また、同じ回の「創業型」との重複申請もできません。

Gunshiの視点:「なぜこの事業をやるのか」から考える

持続化補助金の申請書づくりで、私たちが最初にお聞きするのは「なぜ、この取り組みをやりたいのですか」という問いです。

チラシを作る、ホームページを新しくする、設備を入れる。どれも手段にすぎません。その先にある「どんなお客様に、どんな価値を届けたいのか」という経営の軸(理念)がはっきりしていると、計画書は自然と説得力のあるものになります。審査員が読みたいのも、まさにその部分です。

さらに、後払いの補助金を無理なく使うための資金繰り(財務)、そして少ない人数で成果を出すためのデジタル・AIの活用。この3つをそろえて考えることで、補助金は「一度きりのお金」ではなく、会社が長く伸びていくための投資になります。

ここで、これまで多くの補助金申請をお手伝いしてきた立場から、少し率直なお話をさせてください。

実は、資金繰りや経営をしっかりと回している会社ほど、補助金に頼りきっていないものです。補助金は、あくまで自社の計画を後押しするための「手段のひとつ」と考えているからです。

反対に、私がまだ駆け出しだったころ、「計画の中身はどうでもいいので、先生が適当に決めてください」とおっしゃる経営者の方に出会ったことがあります。当時の私はお断りすることができず、そのままお手伝いしましたが、やはりそのような計画書は採択されませんでした。経営者ご自身の想いや考えが込められていない計画は、審査員の心に届かないのだと痛感した出来事です。

そしてもうひとつ、知っておいていただきたいのが、先ほどお伝えした「後払い」の仕組みです。補助金は、まず自社で経費を支払い、事業をやり遂げてはじめて受け取れるお金です。つまり、資金繰りや経営がある程度安定している会社でなければ、使いこなすのは難しい制度なのです。

コロナ禍の時期には、「赤字でも資金をもらえる制度」と受け止められてしまった面もありました。しかし補助金は、手元資金の穴埋めではなく、会社が次のステップへ進むための「投資」を後押しする制度です。まずは足元の経営と資金繰りを整え、そのうえで補助金を活用する。この順番を大切にしていただきたいと考えています。

まとめ

  • 持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓・業務効率化を支援する制度
  • 補助率は3分の2、上限は通常50万円(特例で最大250万円)
  • 第20回の締切は2026年12月15日(火)17:00、様式4の発行受付締切は12月4日(金)
  • 補助金は後払い。資金繰りも含めて計画することが大切

「自分の事業は対象になる?」「計画書の書き方がわからない」という方は、お気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。

ご相談は、まずオンラインで60分間、無料でお受けしています(ご希望の場合は、条件によって対面でのご相談も可能です)。

対応地域は限定しておりません。「近くに相談できる専門家がいない」「誰に聞けばいいのかわからない」という地域の経営者の方も、どうぞ遠慮なくお声がけください。全国どこからでも、お手伝いいたします。

(関連記事:持続化補助金の経営計画書の書き方/持続化補助金で使える経費・使えない経費 ※公開後にリンクを追加)

吉野 智成
代表取締役 / 行政書士 / 経営コンサルタント

2019年よしの行政書士オフィス創業。2023年株式会社Gunshi設立。「理念×財務×AI」の三輪経営メソッドを体系化し、中小零細企業の経営者に伴走型支援を提供。補助金・融資の採択支援累計額1億円超。

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